女性のための
東洋医学入門
心の疲れ
最近は、身体の疲れだけでなく心に疲れを持つ方も多くいらっしゃるようです。不眠やうつ症状以外にも、何だか体が重くだるい、やる気がでない、調子がでない等、検査で異常が見られないにもかかわらず身体の不調を訴える方も多く見受けられます。
東洋医学では、体の内部から病気をおこす原因は７つの感情「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」にあるといいます（注）。これらの感情は五臓（肝・心・脾・肺・腎）と関係が深く、「怒りは肝」を、「喜びは心」を、「思いわずらいは脾」を、「悲しみ・憂いは肺」を、「恐れ・驚きは腎」を弱らせます。
鍼灸治療では上記のような考えにプラスして、心の疲れに全く関係ないと思われるような食欲や便通、身体の痛みなどの症状も大切にしていきますが、これは東洋医学に「心身一如（心と身体は繋がっている）」という考えがあるからです。原因の分からない身体の不調や心の沈みのある方は、一度、東洋医学的な診断をうけてみるといいかもしれませんね。
※注
7つの感情が病気の原因になりうるのは、精神的な激しい衝撃や長期間持続した精神刺激での感情の変化がある場合となります。通常の感情の変化では、病気になることはありません。